ミネアポリス黒人死亡事件に対する抗議でストレスを発散するアメリカ

ミネアポリス黒人死亡事件に対する抗議でストレスを発散するアメリカ

日本でも新型コロナの緊急事態が解除になりはじめ、アメリカでもようやく条件付きだけどレストランが再オープンされる、というニュースが聞こえてきたメモリアルデー。その2020年5月25日、ミネソタ州ミネアポリス近郊で黒人男性が逮捕時に警官によって頸部を圧迫されたことによって亡くなりました。

数少ないアメリカの祝日。3連休になることはホントに少ない。なのに、新型コロナのおかげでどこにも行けない。外はこんなにいい天気なのに!とボヤいても、せいぜいテラスでアイスティーを飲むか、テニスコートで汗を流すだけ。バスケやサッカーと違ってプレイできるだけマシか。。。

・・・と話が逸れたけれど、黒人が犠牲になった事件がまた起こりました。1週間経った今でも全米各地で抗議行動が繰り広げられています。

人種差別は身近にある?

私が住んでいるあたりは黒人比率がそんなに高くなく、日本企業が多くあることから、日本人を始めとしてアジア人も多く住んでいます。そのため、差別的な扱いを受けたこともないし、差別的な行動を見かけたこともありません。

移民の国、自由の国、といいところがクローズアップされて、アメリカはいい国だ!と言いたくなることも多いですが、アメリカ全体に目を向けると、白人至上主義、差別は根強いものがあります。

大学の授業でも

先日、ESLの授業で、奴隷に生まれた女性がマスターから逃げ出して7年間隠れたのちに、晴れて自由を手に入れる、「Slave Girl」という本が教材として使われました。これがたった200年前の話なの?と驚くほど、奴隷の母親から生まれた子どもは奴隷として生きなければいけない、という衝撃のノンフィクション小説なのだけど(また話が逸れちゃった)、その宿題に「あなたが人種差別を受けた経験を書きなさい」というのがありました。

ESLなので、生徒は全員アメリカ人ではなく、ヒスパニック系やインド、ベトナムなどのアジア系、そして日本人の私。「差別を受けた経験がある」という前提の宿題・・・。「日本は単一民族なので、人種差別は少なく、差別を受けたことがない」と書いて出したけどね(完全に単一民族かどうかは別問題だけど)。

移民だったら差別を受けてるだろう!という先生の思い込み?だけど、そんな宿題が出るほど「差別」が身近にあるのです。

事件をトリガーにコロナ禍のストレスが爆発?

同じ日にニューヨークのセントラルパークでも、「犬をリードにつないで」と注意をした男性を警察に通報する、という事件がありました。女性が警察に通報している動画がTwitterで拡散され、女性は勤務先を解雇されるということに・・・。

スマホで気軽に動画撮影ができ、SNSであっという間に拡散される現代。ミネアポリスの事件でも同じように撮影された動画がSNSで広まったのでした。

Stay Homeでどこにも行けない、という状態が2か月以上続いていて、祝日の今日もStay Home。そんなストレスのはけ口になってしまったのか、あちこちで抗議デモが行われ、事件と関係のない店舗などに火をつける・・・というのが何日も続いています。

せっかく外出禁止令が解除されつつあるのに22時以降の夜間外出禁止令(Curfew)が出されてしまいました。。。領事館からも「暴動に巻き込まれる恐れがあるので、近づかないように、外出しないように」という緊急メールが送られてきました。

今すべきなのは

個人的な意見だけど、今すべきなのは、暴力的な抗議活動に参加することではないと思う。だって、関係ない店舗に火をつけて回ることは何の抗議でもないと思うから。緊急事態宣言が解除されたとは言え、コロナの脅威が消えてなくなったのではないし。

発信するのはSNSでもいいし、ブログでもいいし、このことについてじっくり考える、でもいいと思う。

黒人差別の歴史、奴隷制度について1冊の本を読んだだけだけど、ものすごくショックを受けたので、また別の機会に書きたいと思います。

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