アメリカでは毎年多くの行方不明者が出ています。その中には誘拐された子供の数が多く含まれています。日本では、子供が誘拐されたと聞くと小学校低学年までの小さな子供が多いですが、アメリカでは少年少女と呼ばれてもいいような15歳を超えた子供が誘拐されることもあります。このような恐ろしい事件が起きた時に届く「アンバーアラート」について書いていきます。
アンバーアラートとは?
突然スマートフォンが一斉に鳴り出す
一斉にスマホが鳴り出すような警報というと、多くの日本人は地震警報を思い浮かべるでしょう。地震がないアメリカに来てから、このような警報のことはすっかり忘れていました。
ある夜、主人と私のスマホが両方鳴り出しました。いつもの着信音ではない鳴り方。何だろうと思ってみてみると“Amber Alert”の文字が。
“Amber Alert” (アンバーアラート)とは
アンバーアラートとは、未成年者の誘拐事件や行方不明事件が発生したときに発令される緊急事態宣言の一種です。児童の誘拐事件は、犯行後に殺害される場合が多いということで、短期間の解決を目指して発令されます。
アンバーアラートの発令と同時にラジオやテレビ、Emergency Alert System(EAS)という日本の緊急速報と似たようなシステム、道路上に設置されている電光掲示板など、あらゆる手段を通じて事件が起こった地域や周辺地域の住民に通知されます。
“Amber Alert”(アンバーアラート)は多くの国で使われている!
アンバーアラートは、アメリカ国内50州すべてとコロンビア特別区、インド、プエルトリコ、アメリカ領バージン諸島、その他22もの国で使われているそうです。そして誘拐された多くの子供の救出に役立っています。
“Amber Alert” (アンバーアラート)の中身
上に書いたように、アンバーアラートは、地震警報と同じように地域のスマホにも一斉に送られます。誘拐事件が起こったことを知らせるもので、事件が起こった場所や犯人の名前、乗っている自動車の車種や色、ナンバープレートの情報が書かれています。
道路上に設置された電光掲示板にもこの情報が表示されるので、周辺を走っている車に該当する車がないか、とみんなが見張ることになります。
子供を危険から守るためにはひとりにしてはいけない!
子供を危険から守るために、アメリカでは子供をひとりでおいてはいけないという法律があります。メリーランド州は8歳から、オレゴン州は10歳から、イリノイ州は14歳からひとりにしてもいいと法定年齢を指定している州もあります。
7歳以下はどんなときもひとりにしちゃダメ
7歳以下の子供はどんなときでもひとりにしてはいけません。車の中や公園、自宅の裏庭でもダメだとされています。スーパーの駐車場で停まっている車に子供だけが乗って待っているということはなく、裏庭で遊んでいるときも必ず誰かが見守っています。
8歳から12歳は昼間であればひとりでも遊んでいい時間がある
8歳から12歳の子供は、昼間や夕方の早めの明るい時間帯であればひとりで遊んでもいいとされます。ただし、10歳までの子供は30分まで、11~12歳の子供は3時間まで、と時間が異なります。
許可されていることもあるので、スクールバスを降りて自宅までひとりで帰ってもいいのだと思います。
育児放棄とみなされることもある
学校から帰ってくる子供を家で待つために、多くの親が早めに帰宅しています。また、働く親に代わるベビーシッターのバイトをする学生もいます。
ここまでするのは、子供をひとりにしていることで近所の人が警察に通報し、「育児放棄」と見なされることがあるからです。
日本で子供たちが誰もいない家に自分で鍵を開けて入ったり、子供だけで公園で遊ぶというのはアメリカの親からすると信じられないことなんでしょうね。
まとめ
日本とはまったく異なる子育ての環境。日本では、事件が起きない限り警察が家庭内のことに介入するということはあまりないですが、アメリカでは警察の力が強いです。知らなかった、では済まされないことなので、しっかりと大切な家族を守りましょう。